ホームレスの存在と、自殺者の増加だ。二〇〇三年のように寒い冬はホームレスの命を失う。つまり社会全体を見ると、経済の停滞は、命というエンドポイント(想定終点)に大きなリスクを及ぼしている。そのリスクを縮小するには、やや近視眼的な対策も十分に正当化されるのではなかろうか。とはいえ日本のリサイクルの現状は、何度か述べたとおり、ただの第一段階にすぎない。今は試験段階だから、無駄な形のリサイクルも仕方がない。今後は成熟期に入って、不合理なリサイクルは自然淘汰され、トータルリスクミニマム思想に合うリサイクルが行われるだろう。トータルリスクミニマム思想、わかったようでわかりにくい。しかし、この思想に反する行いを定義するのはやさしい。「今の自分さえよければそれでよい」だ。そんな発言・発想に基づく行いを追い払うこと、それがトータルリスクミニマム思想への道である。国民一人ひとりが意識改革をすれば、必ずやその方向に行く。意識改革が果たせないなら、法規制や経済制裁を含む強圧的な社会構造を作るしかない。その結果として生まれるのは、あまり快適な社会でもないだろうが。