クレオパトラにはシーザーとアントニー、楊貴妃には玄宗皇帝、小野小町には深草少将というお相手がいました。クレオパトラの場合、どちらの男性にも政治的な背景があってみずから恋をしかけています。このことから「悪女」ともいわれていますが、その魅力でエジプトを危機から救ってみせたのですからたいしたものです。歴史上有名な女性はいくらでもいる中で、「美女」とうたわれる人がみな恋をする女性だったというのは、けっして偶然ではありません。恋が女性の美しさをつくるということが、昔から認知されていたからなのです。写真もなにもない時代ですから、彼女たちが実際にどこまで美しかったのか、それはわかりません。また、美の基準は時代や地域によっても大きく違うので、今の日本に生きる私だちから見れば「どこが美女?」というふうにもなるかもしれません。しかし、こまかい基準がどうであろうと、恋をしていた彼女たちが後世まで語り継がれるほどの美をもっていた、これは確かなことです。