白黒映画をやっていたときは、人間の性格やいろいろなキャラクターを洋服の形や動きで表現していたが、あるとき「色つきになります」ということで、すごく興奮したのを覚えている。色で人間の喜怒哀楽が表現できるということを学んだ。赤は激しい色とか、紫は何か意味のある色だとか、緑は平和でのびのびした雰囲気ではあるが刺激が少ない、黄色は嫉妬深い色だとか……。映画の仕事を通じて、色を実験し、経験を重ねた。こうして神様から色のよく映る目をもらっていたのと、カラー映画によって勉強をさせてもらったものだから、一九六五年、アメリカで初めてコレクションを発表するときには、実にたくさんの色を使った。そしてアメリカで仕事をしたそれからの一〇年間は、まさに色で勝負したような気がする。