私の大学の研究会で、こんな実験をしてみました。学生の1人がイギリスのリトル・リバーという所でインターンとして日本語を教え、そこの中学生と神奈川県藤沢市の中学生が英語で交流をしたときのことです。日本の中学生が、イギリスの中学生にカタカナ英語1600に英語のスペルをつけたものを送りました。その結果、ほとんどすべての語句が英語でも同じ意味で使われていることを知りました。その語句を中心に英語と日本語で両国の中学生は交流しました。彼はこの結果を、ケンブリッジの教育学会で発表し、よい評価を得ました。ひとつ例をあげて考えてみましょう。私たちのよく使うカタカナ英語に「ソフト」があります。この語の本来の意味は「柔らかい」です。中学校の英語の教科書ではまずその語の本来の意味を教えようとしますが、現在の子どもたちの世界では、コンピュータ機器などのハードウェアに対するソフトウェアという意味です。すなわち、コンピュータに対してコンピュータゲームなどを指します。私たちが子どもの頃、「ソフト」というとソフトボールかソフトクリームのことでした。どの使い方にも共通しているのは、基本的には「柔らかい」という意味から派生していることです。ソフトウェアでもソフトボールでもソフトクリームでも、これらの名前を考えたのは大人で、考えた人は「ソフト」ということばは本来「柔らかい」という意味であるからと思考をこらした末、これらのことばにたどりついたのです。