「結局、その子は一学期中、学校に来ませんでした。夏休みが間にあったおかげで、子供たちのわだかまりも取れて、2学期からは普通に登校してきてくれて、安心したんですけど、私の中では結構深い傷になってしまって。新学期早々、そのお見合いの話を頂いた時、やっぱり弱気になってたんだと思います。結婚して、子供産んで、そしたらもう、あんなこと、言われなくて済むかな、なんて」。子供を産んでないことを責められるのなら、産んでやる! そう思ったという。「悔しかったんです。私が怠慢で、子供に目がいってなかったのを、子供を産んだことがないせいにされてしまったようで。でも、責任転嫁ですよね、自分の中での。教師としてのミスを、結婚していない、妊娠してないことへすり替えたかったんだと思います。人間としてのミスより、そのほうがまだましだと思ったんでしょうね」。理路整然とKさんは、その頃の自分を振り返ってそう語った。断り続けていたお見合いを受けてしまうほど彼女の中でショックだった出来事を、既にきちんと分析して消化しているのだ。